ある日、隣の森からハンターが野豚を追いつめる音がして、息を飲む。
犬の吠える声、追いつめられる豚の走る音、すぐ隣の森から聞こえてくる豚の最後の叫びには
思わず耳を塞いでしまうほどだった。
そんな状況に暮らしたことがなかった。
唯一記憶に残っているのは、幼い頃、父の下で働いていた作業員のおじさんが鳥の首をはね、
首のない鳥が目の前を走っていく光景だ。
その夜の鳥料理を食べられなかった幼い自分の感覚を、今でも覚えている。
ハワイの伝統的な食べ物に、カルアピッグがある。
野豚のハンティングは、カルアピッグを作るためだ。
野生の豚はマカダミアナッツなんかを食べていて、なかなか風味があるらしい。
野豚の最後の雄叫びを聞いたわたしが不快そうに、なぜこんなことをするのか、と言うと、
ハワイアンのカーティスは答えた。
「でもね、もし誰も豚を捕らないと、すぐにこの島は豚でいっぱいになってしまう。」
島は地球の縮図みたいなものかもしれない。
わたしはたまたま、メインランドという、大きな大地に住んでいたから、
そういう現実があることに気づかなかった。
イムと呼ばれる伝統的な土の下で豚を蒸すための自然のオーブン。
そこで一頭丸ごと蒸される豚。
翌日、蒸し上がった豚を手で丁寧に細かくしていく作業。
どの民族にでも共通する、生き物をいただくためにみんなが助け合って作るということ。
20年以上、わたしはベジタリアンとして暮らし、心もからだも満足している。
カリフォルニアでもオレゴンでも、オーガニックのお店やファーマーズマーケットがたくさんあって、
ベジタリアンという選択はもはや特別なものではなかった。
いろんな人種がいるように、いろんな食べ方がある。
ベジタリアンは確実に、その一つだった。
ハワイ島へ来てから、わたしの選択はそう簡単ではなくなった。
コナサイドではお野菜の種類が少なく、需要と供給が合わないのか、物価が高すぎるのか、
自然食品店はどんどん無くなっていく。
この島でこれからも生きるとしたら、どんなものを育てどう食べるのか、そんなことを観察しながら
暮らす今。
「プナでは、ベジタリアンだけど野豚が増えるのを危惧する人が、野豚を捕ってソーセージなんかを
作っては人にあげているよ」とkeiko forestが教えてくれた。
そんな人もいるんだなぁ。
それぞれの生き方を尊重しながら、この地球上の生き物がバランスよく生きられる方法はあるのか。
外からハワイ島へやってきたという、コーキーフロッグやマングースの繁殖率をみると、なかなか難しい課題のようにも感じる。
さて、カルアピッグを作る行程。
ハワイアンのおじさん達が集まり、約3日間かけての作業です。
犬の吠える声、追いつめられる豚の走る音、すぐ隣の森から聞こえてくる豚の最後の叫びには
思わず耳を塞いでしまうほどだった。
そんな状況に暮らしたことがなかった。
唯一記憶に残っているのは、幼い頃、父の下で働いていた作業員のおじさんが鳥の首をはね、
首のない鳥が目の前を走っていく光景だ。
その夜の鳥料理を食べられなかった幼い自分の感覚を、今でも覚えている。
ハワイの伝統的な食べ物に、カルアピッグがある。
野豚のハンティングは、カルアピッグを作るためだ。
野生の豚はマカダミアナッツなんかを食べていて、なかなか風味があるらしい。
野豚の最後の雄叫びを聞いたわたしが不快そうに、なぜこんなことをするのか、と言うと、
ハワイアンのカーティスは答えた。
「でもね、もし誰も豚を捕らないと、すぐにこの島は豚でいっぱいになってしまう。」
島は地球の縮図みたいなものかもしれない。
わたしはたまたま、メインランドという、大きな大地に住んでいたから、
そういう現実があることに気づかなかった。
イムと呼ばれる伝統的な土の下で豚を蒸すための自然のオーブン。
そこで一頭丸ごと蒸される豚。
翌日、蒸し上がった豚を手で丁寧に細かくしていく作業。
どの民族にでも共通する、生き物をいただくためにみんなが助け合って作るということ。
20年以上、わたしはベジタリアンとして暮らし、心もからだも満足している。
カリフォルニアでもオレゴンでも、オーガニックのお店やファーマーズマーケットがたくさんあって、
ベジタリアンという選択はもはや特別なものではなかった。
いろんな人種がいるように、いろんな食べ方がある。
ベジタリアンは確実に、その一つだった。
ハワイ島へ来てから、わたしの選択はそう簡単ではなくなった。
コナサイドではお野菜の種類が少なく、需要と供給が合わないのか、物価が高すぎるのか、
自然食品店はどんどん無くなっていく。
この島でこれからも生きるとしたら、どんなものを育てどう食べるのか、そんなことを観察しながら
暮らす今。
「プナでは、ベジタリアンだけど野豚が増えるのを危惧する人が、野豚を捕ってソーセージなんかを
作っては人にあげているよ」とkeiko forestが教えてくれた。
そんな人もいるんだなぁ。
それぞれの生き方を尊重しながら、この地球上の生き物がバランスよく生きられる方法はあるのか。
外からハワイ島へやってきたという、コーキーフロッグやマングースの繁殖率をみると、なかなか難しい課題のようにも感じる。
さて、カルアピッグを作る行程。
ハワイアンのおじさん達が集まり、約3日間かけての作業です。